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1999.1.5
『ホームページのお値段』
「いくらでできる?」と聞かれても…の巻
昨年末のこと。ウチのダンナが夜遅く仕事から帰ってくるなり「ホームページの仕事が取れるかもしれんぞ」
と、言った。何でも、ダンナのクライアントがホームページを作りたいと考えているとかで、「ウチのカミさんがフリーでそういう仕事してます」と紹介してきたというのである。子どもが生まれて、身動きの取りづらい私にとって、営業しないで仕事が入ってくるなんて、こんなラッキーなことはない。
「あさって、その会社に行くから料金表か何か準備しておいて」
「料金表じゃよく分からないから、どんなホームページを作りたいのかが分かれば見積り出すけど」
「向こうも初めてだから、おおよその値段が分かるようにして」
「どんなホームページか分からなきゃ値段は出せないよ」
「1ページいくらとかの目安があるだろ」
「1ページと一口に言ってもピンキリだから…」
…延々30分。
考えてみれば無理もない。ウチのダンナはホームページ制作については全く無知(私がこんな仕事してるっていうのに…)。おまけに、1ページいくら、1枠いくらで契約をとってくる雑誌広告の営業マンなのである。『料金表』『ページ単価』の感覚からは離れられないのだ。
私も一応、料金表は作ってある。項目を細かく分けて、それぞれの金額を『◯◯◯円〜』という表記にしたものだ。HTMLもテキストベースの単純なものと、いっぱいパーツがあってテーブル使いまくりのもとのではもちろん値段はちがう。アイコン一つとってもフォントをちょいちょいと加工してできちゃうものと、一からイラスト描いて作るものとでは価格が違って当然。バ〜ンと『いくら』って書けるはずがない。
その価格表をダンナに見せると、
「じゃあ、パーツが5個と写真2枚取り込んで作るとしたら、この金額に掛けて合計すればいいんか?」
「そうすると1ページがむちゃくちゃ高いことになるでしょ。だから実際はまとめていくら」
「それじゃ、この価格表の意味がない!」
「この金額は単発で仕事を受けた場合と考えてよ。例えばデザイン事務所が1ページの広告を作るとして、そのとき、この地図はいくら、ロゴのトレースはいくら、イラストはいくらって厳密に計算する? 全体の難易度にあわせて、結局全部まとめていくらでしょ。で、使っているパーツを単発で発注して合計するとその値段より高くなるはずだよ」
……なんとか納得してくれたようである。
少しでも分かりやすいようにと、自分のホームページをプリントアウトして値段を書き込んだものも作ってみた。このページを一から1ページだけ作ったとしたら…という値段である。ダンナが勘違いしないように、聞かれる前に説明した。
「こういうホームページを10ページ分作っても、金額は10倍じゃないからね。パーツは使い回しになるし、いろんな処理もまとめてするし、HTMLもレイアウトが似ていれば書き換えて使うんだから…。10倍よりずっと安くなるからね」
結局、「あさって」と行っていた話は延期になり、結果は今年に持ち越すことになる。
そして、ダンナはまた夜遅く「仕事決まったよー!」と帰ってきた。やったー! 久々の仕事だー!
「で、オレの取り分は?」
「え?」
「営業してきてやったんだから、半分もらう」
「ちょっと待ってよ。そんな半分なんてトンデモナイ!」
「じゃあ、3割」
「だめ! う〜ん、1割」
「え〜っ。……まぁ、いいか1割で手を打とう」
こちらも、商談成立。


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